歯のインプラントは、失った歯を取り戻す有効な治療方法です。しかし、すべての治療が成功するわけではなく、失敗するケースも存在します。
そこでこの記事では、以下の内容を詳しく解説していきます。
これからインプラントを検討されている方はもちろん、過去のインプラントで失敗したと感じられている方にも参考になる内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
インプラントは、歯科医院での手術方法や手術後のメンテナンス次第で、失敗となるケースもあるんです。インプラントが失敗するケースと原因を事前に理解しておくことで、満足のいくインプラント治療を受けられるようになります。
今回は、インプラントでよくある失敗例4つとその原因を解説していきます。
インプラントは、インプラントと骨がしっかりと固定されることによって成功する治療方法です。ですが、骨との結合が足りていないことで、咀嚼能力が回復しなかったりインプラントの脱落を招いたりすることで、インプラント失敗となってしまいます。
インプラントは、適切に埋入される必要があります。インプラントを埋入する際の深さや角度に誤りがあると、骨との結合が不完全となるためです。
そのため、インプラントが適切に埋入されていることが大切なポイントです。
インプラントのための穴を骨に開ける際のドリリングは、非常にデリケートな作業です。ドリリングによって骨を傷つけると、細胞が失われるリスクがあり、インプラントが骨と結合されなくなります。
ドリルの速度が適切でない・過剰に摩擦熱が起こったなどがあったとき、骨へのダメージが大きいです。
歯ぎしりや食いしばりが癖づいている人は、インプラントに対して過度な力をもたらします。歯ぎしりや食いしばりによって、インプラントが動いたり、骨との結合が弱くなる可能性があるんです。
そのため、インプラント治療後は、歯ぎしりや食いしばりなどの癖を改善する必要があります。
細菌の感染によりインプラント周囲炎を発症すると、インプラントが脱落し失敗に終わることがあります。
インプラント周囲炎とは、インプラント周辺に発症する感染症です。インプラント周囲炎を発症する主な2つの原因を知っておく必要があります。
インプラント後に、自宅・歯科医院でのメンテナンスが不足していることで、インプラント周囲炎を発症することがあります。
そのため、インプラントを定期的にメンテナンスし、細菌や汚れの蓄積を取り除くことで、炎症を予防しましょう。
インプラントは外科手術のため、治療時の衛生環境が不十分な場合、インプラント周囲炎の感染リスクが高いです。特に、インプラント手術時の手術室・手術器具が不衛生だと傷口から細菌が入る可能性があります。
メンテナンスを十分におこなうだけでなく、治療環境の衛生面にも気をつけなければなりません。
歯周病は、インプラントの成功率に影響を与える主要な要因の1つです。既存の歯周病が治療されずにインプラント治療が行われた場合、インプラントの固定が不安定になる可能性が高まり、炎症を引き起こすリスクが増えます。
インプラント治療後に腫れ・痛み・痺れが続く場合、インプラントが失敗している可能性が考えられます。
インプラントによる痛みは通常1週間程度です。そのため2週間〜3週間経っても腫れや痛みが取れないことも。そのような場合、以下のような原因が考えられます。
インプラントが適切に埋め込まれていない場合、神経を傷つけたり隣り合う歯に触れたりすることで、痛みが長引きます。
腫れや痛みが長引く場合は、インプラントが適切に埋入されていない可能性を考えましょう。
インプラント周囲炎同様に、細菌の感染によって腫れや痛みが長引くことがあります。
そのため、衛生環境の良い歯科医院選びや手術後の適切なケアは非常に大切です。
インプラントは、埋め込まれたインプラントに人口歯を装着することで完了する治療方法です。ですが、日常生活を続けていくうちに人口歯が破損・外れるといった事例があります。
正確な噛み合わせは、インプラントの長期的な維持に不可欠です。噛み合わせが不適切な場合、以下のようなリスクがあります。
よって、インプラント手術は正しく咬合調整のできる歯科医師へ依頼するようにしましょう。
アバットメントの締め付け不足は、インプラントの失敗を招く原因となります。適切な締め付けがないと、使用中に人口歯が動く可能性があり、最終的には外れるリスクが高まります。
インプラント治療は一般的に安全とされていますが、2007年にインプラント治療による死亡事例が報告されています。
顎の骨をドリルで削りインプラントを埋め込むための穴を開ける際、近くを通っていた動脈まで傷つけ、大量出血を引き起こしたことが原因です。
参考:インプラント手術で女性死亡、都内の歯科医を書類送検 - 日本経済新聞
この死亡事件の背景としては、インプラント手術前に十分な検査がおこなわれておらず、顎部分の動脈がどこを通っているのか把握していなかったことにあるとされています。
そのため、インプラント手術の依頼先は、必ずCT撮影できる環境が整っている歯科医院を選択するようにしてください。
当院は、インプラントを確実に進めるためのCT撮影環境を整備しております。安心してご相談ください。
インプラント治療後に異常を感じた場合、速やかに治療を受けた医師や他の専門医に相談することが推奨されます。まずは治療を受けた歯科医院に相談しましょう。また、治療を受けた歯科医院以外の歯科医院や医療機関からセカンドオピニオンを受けることも可能です。
またその他にも、以下のような相談先へ相談することも考えられます。
都道府県ごとに設置されている歯科医師会や、国民生活センターへの相談も有効です。
インプラントの失敗によって歯科医院を訴えたいとお考えの方は、弁護士に相談をしてください。
インプラントで失敗をしないためには、適切な歯科医院を選ぶことが非常に大切です。
これからインプラントを受けたいとお考えの方へ、あらかじめ知っておきたい重要なポイントを5つご紹介します。
衛生管理の徹底は、インプラント治療の成功において非常に重要な要素となります。インプラント手術は細菌への感染リスクが高いため、衛生環境が維持されていない場所での手術は失敗のリスクが上昇します。
そのため、院内や手術器具の衛生管理が徹底されている歯科医院を選ぶようにしましょう。
検査環境の整った歯科医院を選ぶことで、より正確な手術が可能となります。
CTをはじめとした検査機器は、顎の状態を見極めるために必ず必要です。そのため、検査機器を完備している歯科医院では、より成功率の高い手術が期待できます。
実績豊富な医師のもとで治療を受けることが、インプラントの成功率を高める要因となります。
経験の多い医師は、多くの症例に対応してきた経験があるため、予期せぬトラブルへの対応が適切です。また、インプラント前後のケアやアドバイスも的確におこなってくれるでしょう。
治療前に、治療計画や治療費について丁寧な説明がある歯科医院を選ぶようにしてください。
治療に関する知識や予期されるリスク、治療費用などを明確に理解することで、安心して治療を受けられます。
また、事前の説明がしっかりと行われている医院は、患者のケアやアフターサービスにも力を入れている可能性が高いです。
信頼できるメーカーのインプラントを使用することで、長期的な安定性や信頼性が確保されます。
安価な製品や未知のブランドの製品は、材料の品質や耐久性に問題がある可能性もあるため、手術前に確認しておくことをおすすめします。
インプラントの失敗を防ぐためには、適切な衛生環境での治療や実績豊富な医師の選択などが重要です。安心・安全なインプラント治療を受けるために、しっかりとした準備をおこないましょう。
ソレイユデンタルクリニックでは、インプラントについてのご相談を随時受け付けております。術前・術後のケアまで徹底しておこなわせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
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