インプラントを検討されている方のなかで、「オールオン4って具体的にはどんな治療なの?」と疑問に思ったことはありませんか?
オールオン4は、インプラント治療の一種です。この記事では、以下の内容を解説しています。
この記事を読むことで、オールオン4について基本的な部分をすべて理解することが可能です。インプラントを検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
オールオン4とは、前歯から奥歯まで全ての歯が一体化されたインプラントのことを指します。
オールオン4では、顎の骨に4本のインプラント体を埋入し、それらを基盤として全体の義歯を固定します。オールオン4であれば、4本のインプラント体で最大12本の歯を支えることが可能です。
従来のインプラント治療が一本一本の歯に対しておこなうものであるのに対し、オールオン4は少数のインプラント体で多くの歯をサポートするため、より効率的な治療法となっています。
オールオン4のメリットを10個に分けてご紹介します。一つずつ確認し、オールオンの特長を理解しましょう。
オールオン4治療では、従来のインプラント治療と比較して身体への負担が大幅に軽減されます。
従来のインプラント治療では、顎の骨に穴を開け、必要に応じて骨を増やす骨造成手術がおこなわれることがあります。しかし、オールオン4ではたった4本のインプラントで多数の義歯を支えることができるため、穴を開ける回数が減少します。また、手術時間が短縮され、全体的な身体への負担も軽くなります。さらに、インプラントの本数を減らすことで、最適な骨の部位に埋入することが可能になり、骨造成手術の必要性も低減します。
オールオン4治療を選択することで、一本ずつのインプラントよりも費用を抑えられます。一般的にインプラント治療は高額になりがちですが、オールオン4を採用することで、必要なインプラントの本数を削減でき、治療費用を抑えることが可能です。
歯科医院や治療方法によって費用は異なるものの、個別にインプラントをおこなうよりも総費用を低く抑えられるでしょう。
オールオン4治療は、治療期間が大幅に短縮可能です。オールオン4では、インプラントを顎の骨に埋め込む日に、すぐに上部構造(義歯)を取り付けられます。一般的なインプラント治療がフィクスチャーの埋め込みから上部構造の装着までに数ヶ月を要することが多いのに対し、オールオン4ではこのプロセスを1日で完了できるんです。
これにより、通院回数が減り、治療による体への負担が減ることにもつながります。
オールオン4治療は色や形、質感が全ての歯で統一されているため、見た目が自然で、全体のバランスを損なうことがありません。審美性を重視する方にとって、オールオン4は見た目の美しさを保ちながら機能性も兼ね備えた理想的な治療法といえるでしょう。
オールオン4治療をおこなうと、天然の歯と変わらない感覚で咀嚼することができます。顎の骨にしっかりと固定された4本のインプラントによって、硬い食べ物も問題なく噛むことが可能です。
オールオン4治療を受ければ、歯がない状態ではあまり楽しめなかった食べ物も楽しめるようになります。
オールオン4は、発音や会話のしやすさを向上させる効果もあります。従来の入れ歯では、歯茎や粘膜が覆われることで発音に違和感を感じる人が多いですが、オールオン4では顎の骨によって人工歯が固定されるため、違和感なく発音できます。
特に「し」「す」などの発音がしやすくなり、自然な会話ができるようになるため、コミュニケーションも捗るようになるでしょう。
オールオン4の治療を受けた場合、日常生活において痛みを感じることがほとんどありません。
従来の入れ歯では、食事中に食べ物のかすが歯茎に挟まり、不快な痛みを引き起こすことがあります。入れ歯と歯茎の間に食べ物が入り込むためです。しかし、オールオン4では歯茎や粘膜を覆うことがないため、食べ物が挟まるリスクが大幅に減少します。
日々の生活における口内の痛みを避けられるため、この点は大きなメリットといえます。
オールオン4では、顎の骨の量が少ない方でもインプラント治療を受けることが可能です。
通常のインプラント治療では、骨量が不足している場合、治療を受けることが難しい、または追加の手術が必要になることがあります。しかし、オールオン4の場合は、適切な骨量が存在する部位を選んでインプラントを埋入することが可能です。これにより、骨量が少ない方でも手術せずにインプラント治療を受けることができ、身体的な負担や治療にかかる費用を大幅に減らせます。
オールオン4は顎の骨の健康を維持する効果もあります。顎の骨は使用されないと吸収されてしまう性質があり、骨が痩せる原因となります。しかし、オールオン4のようなインプラント治療では、インプラントが顎の骨に固定されることで、骨への適切な刺激が維持され、骨の吸収を抑えることが可能です。
そのため、顎の骨を長期にわたって健康な状態に保つことが可能となり、顔の形状にも良い影響を与え、健康的で若々しい印象を維持しやすくなります。
オールオン4は、顎の骨にしっかりと固定されるため、入れ歯のように外れる心配がありません。
入れ歯は、予期せぬタイミングで外れてしまい、装着し直す必要が出てくることもあります。一方オールオン4であれば、外れる心配は無用。日常生活において人工歯が外れるというストレスから解放されます。
オールオン4にはデメリットもあります。今回は4つのデメリットをご紹介します。
オールオン4では、固定された一体型の義歯を顎に設置するため、場合によっては残っている健康な歯を抜歯する必要があります。義歯をインプラントで一括して固定するため、邪魔な歯はたとえ健康であっても取り除かなければならないためです。
健康な歯を抜くことは理想的な状況とはいえませんが、歯周病や虫歯などの問題がある歯を抜いてオールオン4をおこなう場合は、むしろ口腔内の状態を改善する方向に進むことがあります。
オールオン4は健康保険の適用外となり、その結果として治療費は高額になる可能性があります。この点はオールオン4に限らず、インプラント治療全般に共通する事項で、ほとんどのインプラント治療が特別な条件を除き保険適用外です。
そのため、オールオン4を含むインプラント治療を選択する際は、治療費の全額を自己負担する必要があると把握しておきましょう。
オールオン4は、全ての歯科医院で治療できるわけではありません。インプラント治療をおこなっている医院でも、オールオン4を実施していない場合があります。通常のインプラントと比較して、より高い技術が必要なためです。
オールオン4を受けるには専門的な技術と設備が必要であり、選べる医療機関の数が限られてくるため、適切な歯科医院を見つけることが一つの課題となります。
オールオン4は、全ての歯科医院で治療できるわけではありません。インプラント治療をおこなっている医院でも、オールオン4を実施していない場合があります。通常のインプラントと比較して、より高い技術が必要なためです。
オールオン4は複雑な外科手術が必要なため、健康状態によっては治療を受けられない場合があります。以下のような状態の方は、一般的に治療が難しいとされています。
これらの条件は、手術のリスクを高めるか、治療後の成功率に影響を及ぼすため、オールオン4治療が適さないと判断されることが多いです。特に、使用される材質であるチタンはアレルギー反応のリスクが低いものの、稀にアレルギーを持つ人もいるため注意が必要です。
また、十分なセルフケアが行えない場合、インプラントの持続性に悪影響を及ぼす可能性があるため、治療前には患者自身の生活習慣や健康状態を正確に評価しなければなりません。
ここまでオールオン4のメリットとデメリットをご紹介してきましたが、以下のような希望がある方には特におすすめの治療法です。
オールオン4は、費用と身体への負担の両方を考慮しつつ、見た目と機能性を兼ね備えたインプラントです。そのため、多くの歯を自然な見た目の義歯に置き換えたい方々にとって、理想的な選択肢といえるでしょう。
研究によれば、オールオン4を含むインプラントは、設置後10年が経過しても95%以上が機能していることが示されています。
参考:経過例からインプラント治療の長期寿命を検証する(研究論文、PDF)
インプラントを長持ちさせるためには、定期的な歯と歯肉のクリーニングや噛み合わせの確認など、適切なメンテナンスが不可欠です。口腔内を清潔に保ち、インプラントへの負担を軽減する適切な噛み合わせを維持することが、インプラントの寿命を伸ばすことにつながります。
オールオン4治療の一般的な費用は、片顎につき200万円から300万円の範囲になります。この価格帯に幅があるのは、使用される人工歯の素材によって費用が変動するためです。素材としては、ハイブリットセラミックやセラミックなどが選べます。
また、歯科医院の治療方針や技術水準の違いも、治療費に大きく影響します。低コストのオールオン4治療を提供している場合、十分な診断や検査が省略されていることもあるため、注意しなければなりません。治療費のみを基準に歯科医院を選ぶのは避け、治療内容や医院の信頼性も考慮することが重要です。
オールオン4の治療は、一般的に以下のような流れで進みます。
それぞれの工程でどのようなことがおこなわれるのか、具体的に解説していきます。
カウンセリングでは、オールオン4治療の流れやメリット・デメリットについて説明があります。また、オールオン4を進めるうえで非常に重要な術前検査もおこなわれます。
術前検査では、以下のような検査を通じて口腔内や顎の骨の状態を詳細にチェックします。
これらの検査を通じて、口腔内や顎の骨の状態を正確に理解し、治療に最適な方法を決定することが不可欠です。
カウンセリングと術前検査の結果に基づき策定された治療計画に従って、インプラントの埋入手術がおこなわれます。
手術には、局所麻酔または静脈内麻酔が使用され、これにより痛みを感じずに手術を受けることが可能です。麻酔後、必要に応じて抜歯がおこなわれ、その後インプラントの埋入と歯肉の縫合が続きます。手術後は一時的に休息を取り、出血が収まるのを待ちます。その後、状況に応じて同日中または翌日以降に仮歯が装着され、手術が完了します。
治療の最終段階として、仮歯を使用しての経過観察期間を経て、3~6ヶ月後に最終的な義歯が装着されます。
この期間は、噛み合わせの調整や見た目の確認、さらにはインプラントと顎の骨が適切に結合しているかを観察する重要な時間です。そのため、少なくとも月に一度は歯科医師による確認が必要となります。定期的な受診を怠ると、治療計画に沿った進行が難しくなる可能性があるため、注意が必要です。
オールオン4治療後は、定期的な検診が不可欠です。これらを怠ることで、インプラント周囲炎といった問題の発見が遅れ、重症化する可能性があります。また、定期検診を欠かすと、万が一の際のインプラント保証を受けられなくなる場合もあるため注意が必要です。
定期検診では、以下のようなメンテナンスや検査がおこなわれます。
オールオン4についてよくある質問とその回答をまとめました。
はい、歯が残っている状態や、すでに義歯を使用している方でもオールオン4の治療を受けることが可能です。
治療当日に残っている歯の抜歯をおこない、その日のうちにインプラントを埋め込みます。その後、手術後数時間から翌日にかけて、新しい仮の歯を装着することになります。
手術中は適切な麻酔を行うため、痛みを感じることはほとんどありません。口内は比較的治癒が早い部位であり、手術範囲も限定的ですので、術後の回復も比較的スムーズです。
オールオン4の手術に入院は必要ありません。オールオン4は、通常手術時間は約1.5時間から3時間程度で完了するため、日帰りが可能な治療法です。
オールオン4治療に年齢制限はありません。高齢の方でも治療を受けることが可能です。ただし、体力や全身の健康状態によっては手術が難しい場合もありますので、事前の健康診断が重要となります。
オールオン4とは、通常のインプラントと異なり、前歯から奥歯までの歯が一体となったインプラントのことを指します。オールオン4にはメリットが多く、審美性を重視している方や手術による負担を減らしたい方に特におすすめです。
ですが一方で、健康な歯を抜歯する必要があったり、対応している歯科医院が限定されていたりといったデメリットもあります。まずはカウンセリングを受け、自身にオールオン4が合っているかを確認してみてください。
ソレイユデンタルクリニックでは、オールオン4を含むインプラントについてのご相談を随時受け付けております。術前・術後のケアまで徹底しておこなわせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
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