「高齢者でもインプラントは受けられるの?」と疑問に思ったことはありませんか?インプラントの年齢制限なども気になりますよね。
そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。
60代や70代の方でインプラントを検討している方はもちろん、インプラントと年齢の関係が気になる方もぜひ最後までご覧ください。
結論、高齢者の方でもインプラント治療を受けることができます。インプラントは、18歳以上であれば誰もが受けられる治療です。ただし、個人差によって適応の可否が変わってくる可能性があります。特に高齢者の場合、手術に伴うリスクが高くなるため、慎重な検討が必要となります。
インプラント治療には、年齢による明確な制限はありません。極端にいえば、100歳を超える高齢者でも治療が可能です。
しかし、手術を伴うインプラント治療には様々なリスクが伴います。特に高齢者の場合、免疫力や体力の低下が懸念されるため、事前の慎重な評価が必要となります。専門医と十分な相談を行い、個々の身体状況に合わせて、適応の可否を判断することが重要です。
高齢者向けのインプラント治療として、「オーバーデンチャー」という方法があります。オーバーデンチャーとは、既に埋入されたインプラントや天然歯を支えとして、義歯を被せて使う方式です。義歯の形状は、患者の状態に合わせて調整できるのが特徴です。
オーバーデンチャーのメリットは、安定性と噛み合わせの向上です。一方で、インプラントよりも噛む力が弱く、入れ歯の違和感が残るというデメリットもあります。
高齢者で入れ歯に不便を感じている方や、体力の低下が見られる方には、オーバーデンチャーが適した選択肢となります。歯科医師のアドバイスを受けながら、自身の状況に合わせた治療法を検討することが重要です
基本的に何歳の方でもできるインプラントですが、外科手術が伴うため体への負担が大きな治療となります。高齢者がインプラントを受けるためには、以下4つの条件を満たしていることが重要です。
一つずつ解説していきます。
インプラント治療は、持病がないことが重要です。特に、高血圧や糖尿病、骨粗鬆症などの生活習慣病がある場合は注意してください。これらの疾患では、局所麻酔の薬剤の使用制限や、手術時の出血リスクの増大、骨との結合不良など、インプラント治療に影響を与える可能性があります。
そのため持病に関する不安がある方は、事前に歯科医院にて十分に確認し、インプラント治療を受けられるかどうかを判断することが重要です。
高齢者には、何らかの病気によって薬物治療を受けている方が多いのが実情です。しかし、服用している薬の種類によっては、インプラント治療を受けられない可能性があります。
代表的なものとして、抗凝固薬やビスホスホネート製剤が挙げられます。これらの薬は、手術時の出血リスクや骨溶解の副作用が懸念されるため、事前の確認が必要不可欠です。
そのため、高齢者がインプラント治療を希望する場合は、服用中の薬について歯科医師に必ず相談しましょう。
高齢者がインプラント治療を受けられる条件として、口内の健康状態が重要です。特に、歯周病の有無が問題となります。歯周病が進行している状態では、インプラント体の安定が期待できません。
インプラントの治療前に歯周病治療を完了しておき、常に清潔な口内環境を維持することが求められます。
インプラントは外科手術を伴います。そのため、手術に耐えられる体力を有している必要があるのです。
加齢により体力が低下している高齢者にとって、インプラント埋入手術は負担が大きい可能性があります。手術はもちろん、術後のメンテナンスや適切な食事摂取にも十分な体力が必要です。
高齢者がインプラント治療を受ける際は、事前の身体的評価をおこない、手術に耐えうる状態であるかを確認しましょう。
高齢者がインプラントをするのには、以下5つのメリットがあります。
それぞれ解説します。
高齢者がインプラント治療を受けることで、天然の歯と同じような感覚で食事を楽しめるようになります。インプラントは顎の骨に直接固定されるため、しっかりと噛むことが可能です。
また、インプラントに使用されるチタンは骨との結合が強く、強い負荷がかかっても劣化の心配がありません。
インプラントは、見た目の美しさに優れています。差し歯やブリッジ、入れ歯では、色味に違和感を感じることがありますが、インプラントの人工歯にはセラミックやジルコニアが使用されるため、天然の歯と遜色のない美しい外観を手に入れられます。
高齢者にとっても、審美性の高いインプラントは笑顔に自信が持て、コミュニケーションの質を高める効果が期待できます。
インプラント治療では、人工の歯根を直接顎の骨に埋め込むため、骨の収縮・痩せを防ぐことが可能です。
歯がない状態や差し歯や入れ歯の場合、顎の骨が使われなくなるため、骨が徐々に吸収されていきます。一方、インプラントは骨に直接刺激を与え続けるので、骨量の維持が期待できるのです。
高齢者は加齢に伴う骨量減少が進行しやすいため、インプラントによる骨の収縮抑制は大きなメリットといえるでしょう。
インプラントによって快適な食生活が送れるようになることで、健康面にも良い影響を与えます。
咀嚼によって脳に刺激が伝わり、脳の活性化が促されます。また、十分な咀嚼により唾液の分泌が促進され、若返りホルモンの分泌にも効果が期待できるのです。
インプラントによって噛み合わせが改善されることで、発音が改善されます。
インプラントによって歯の位置関係が修正され、コミュニケーションの質が高まるでしょう。
高齢者がインプラントをするのには、メリットだけでなくデメリットがあるのも事実です。考えられるデメリットは以下です。
特に高齢者の場合は、若い年代よりも免疫力が劣っていることがあり、細菌感染のリスクが高まります。そのため歯科医師とよく相談して治療計画を練り、治療後もメンテナンスを怠らないことが重要です。
最後に、高齢者がインプラントをするデメリットもふまえた注意点を、以下の7つに分けて解説します。
それぞれ見ていきましょう。
元々細菌感染のリスクがあるインプラント治療ですが、高齢者の場合は若者に比べて免疫力が低いため、細菌感染のリスクが高くなります。
インプラント治療では、まず顎の骨を削り、そこにインプラントの土台を埋め込む手術をおこないます。加齢に伴い免疫力が低下すると、手術による創部から細菌が侵入しやすくなり、深刻な感染症を引き起こす可能性があるのです。
インプラント治療を受ける前に、細菌感染のリスクについて正しく理解し、歯科医師と連携を取っておくのがおすすめです。
高齢者は、若年者に比べてインプラント体と顎の骨の結合が難しい傾向にあります。加齢に伴う免疫力の低下により、骨の治癒が遅延する可能性があり、結果としてインプラントと骨が十分に結合しないリスクが高まります。
インプラント体と骨が結合しない場合は、再手術を実施する可能性があります。
高齢者がインプラント治療を受ける際は、実績があり信頼できる歯科医院を選ぶようにしましょう。
加齢に伴い、顎の骨量や質が低下している高齢者の場合、「骨造成」といった追加の手術が必要になることがあります。しかし、全ての医院が骨造成を提供しているわけではありません。
そのため、自身に適した治療が提供できる実績と信頼性の高い歯科医院かを見極めることが、インプラント治療の成功に直結します。
高齢者がインプラント治療を受ける際は、通院のしやすさを十分に考慮する必要があります。加齢によって体力が低下すると、定期的な通院が困難になる可能性があるためです。
通院が困難だからといってインプラント治療後のメンテナンスを怠ると、深刻な合併症を引き起こすリスクもあります。通院が難しくなった際の対策として、訪問診療などに柔軟に対応してくれるクリニックかを事前に確認しておくのがおすすめです。
インプラント治療を受けた際に発行されるインプラントカードや手帳は、大切に保管しましょう。これらの記録には、埋入したインプラントの詳細や過去の治療内容が記載されています。
担当医の異動や自身の引っ越しなどで情報が失われると、適切な治療が受けられない可能性があります。日本口腔インプラント学会のホームページからも「口腔インプラントカード」をダウンロードできるので、必要に応じて活用することをおすすめします。
インプラントを長期的に維持するためには、日常的な歯磨きによって清潔な口腔環境を保つことが不可欠です。
高齢者の方は、長年同じ歯磨きの習慣を続けている傾向にあります。そして中には、間違った方法で歯磨きをしている方も少なくありません。そのため、正しい歯磨き方法について、歯科医師による指導を受けることをおすすめします。
高齢者の約70%が歯周病を罹患しているといわれています。歯周病は、インプラントの長期的な安定にとって大きな敵です。
インプラント治療をおこなうときは、事前に歯周病治療をおこない、口腔内の清潔を保つことが重要です。定期的な歯科受診と適切な治療によって口腔環境を整えることが、インプラント治療成功の鍵となります。
高齢者の方でも、インプラント治療を受けられます。インプラントに、明確な年齢制限はないからです。
しかし、高齢者の方がインプラントを受けるときは、以下4つの条件を満たす必要があります。
インプラント治療を受けられれば、審美性と機能性の向上が期待できます。インプラント治療によるリスクを最小限にするためにも、信頼できる歯科医院を選び、治療を安全に進められるようにしましょう。
ソレイユデンタルクリニックでは、インプラントについてのご相談を随時受け付けております。術前・術後のケアまで徹底しておこなわせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
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