オールオン4を検討している方の多くは、「治療費も安くないし、オールオン4をしたことで後悔したくない」「オールオン4で後悔しないためにできることを知っておきたい」などを思っているのではないでしょうか。
そこでこの記事では、以下の内容を中心に解説していきます。
後半にはオールオン4のメリットについても解説をしているので、オールオン4を検討されている方はもちろん、オールオン4をすぐ先に控えている方も、ぜひ最後までご覧ください。
オールオン4は、片顎(上顎または下顎)に最小4本のインプラントを使用して全ての歯を支えるインプラント治療法のひとつです。オールオン4は骨が薄い方にも適用可能で、入れ歯の煩わしさを解消しながら機能性と審美性を兼ね備えた治療が受けられます。
オールオン4の最大の特徴は、少ないインプラントで全体を支えるため、一本ずつ治療する通常のインプラントと比較して経済的な負担を軽減できる点です。全ての歯を失った方や歯がボロボロになっている方でも、オールオン4によって快適に噛める歯を手に入れられます。また、治療時間が短縮されるため、身体的な負担も少なくて済みます。
オールオン4についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
そんなオールオン4ですが、治療後に後悔をしたという声を聞くこともしばしば。ここでは、オールオン4治療後にどのような後悔があるのか、7つの例について解説していきます。
ひとつずつ解説します。
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の組織が炎症を起こす病気です。磨き残しなどによって発生するプラークが原因で、歯茎に炎症を引き起こします。
インプラント周囲炎が進行すると、顎の骨が溶けてインプラントが抜け落ちる可能性があります。特にオールオン4は、インプラント周囲炎が進行すると治療の進行が難しくなり、最悪の場合治療が失敗に終わることも。
オールオン4は基本的に自費診療のため、治療費は決して安いものではありません。インプラント周囲炎によって治療が失敗してしまえば、後悔が生まれるでしょう。
インプラントの埋入中に、神経や血管を傷つけてしまうことがあります。埋入の角度や位置が正確でない場合、本来触れるはずのない神経や血管に触れてしまうことがあるためです。
血管が傷つくと、大量出血の恐れがあります。神経に触れた場合、神経損傷となり、手術後もしびれや痛みが残る、または感覚が麻痺することがあります。
厚生労働省のデータによると、インプラント手術全般における神経麻痺は0.13~8.5%程度発生します。オールオン4のトラブル事例としては多くないかもしれませんが、神経や血管が傷つくリスクがあると事前に把握しておきましょう。
オールオン4で埋入したインプラントが脱落し、再治療が必要となるケースがあります。
インプラントの脱落は、インプラント周囲炎や治療の不備・固定が弱いなど、さまざまな原因で起こります。インプラントの脱落が起こらないためにも、歯科医師とともに治療の計画を綿密に立てるようにしましょう。
オールオン4の治療後は、定期的なメンテナンスが欠かせません。オールオン4は自費診療であるため、メンテナンス費用も全額自費負担となります。また、定期的に歯科医院に通う必要があるため、時間もかかります。
ですが、オールオン4は歯科医院及び日常的なメンテナンスが欠かせません。治療を始めると決めたら、必ずメンテナンスが必要になることを事前に理解しておきましょう。
オールオン4の治療後、しっかり噛めなくなることがあります。インプラントを埋め込む際に、計画していた通りの位置や角度で埋入できなかったことが原因です。
適切な位置や角度に埋入しないと、噛み合わせのバランスが崩れ、上部構造への力のかかり方が悪くなります。そのためオールオン4は、経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けるようにしてください。
オールオン4のメリットとして、全ての歯を一度に作るため、治療を受ける患者の方が希望された色や形の歯列を作りやすい点が挙げられます。しかし、実際に人工歯が入ってみると違和感があり、イメージと違ったという 場合も少なくありません。
そのため、人工歯の仕上がりについては事前によく確認しておく必要があります。
オールオン4の人工歯は頑丈な素材で作られているため、通常の噛む力で破損することはありません。ですが、場合によっては破損する可能性を否定できないのも事実です。
人工歯が破損した際は、修理のための追加費用がかかるため、注意が必要なポイントです。
ここからは、オールオン4で後悔をしないためにできる対策9選として、以下について解説していきます。
オールオン4の成功には、歯科医師の技術力だけでなく、患者の方の生活習慣や治療に対する向き合い方も大きく関わります。一つずつ詳しく解説していきます。
オールオン4の治療を始める前に、虫歯や歯周病がある場合は先に治療を済ませましょう。治療を放置してオールオン4をおこなうと、インプラント周囲炎が発症しやすくなり、インプラントと骨の結合が妨げられる可能性が高まります。
多くの歯科医院では、まず歯周病や虫歯を治療してから手術を進めることが一般的です。しかし、患者の方の強い希望により、虫歯や歯周病が完全に治っていない状態でオールオン4を進める医院もあります。
オールオン4を急いだ結果インプラント周囲炎を発症し、治療失敗となっては本末転倒ですよね。そのため、必ず虫歯や歯周病を治療してからオールオン4を進めるようにしましょう。
オールオン4と歯周病の関係については、以下の記事を参考にしてください。
オールオン4の術後には、自宅でのケアと歯科医院での定期的なメンテナンスを欠かさず行なってください。自宅での歯ブラシやフロスなどによる日々のケアに加え、歯科医院で定期検診を受けることで、インプラント周囲炎のリスクを大幅に減らせます。
自宅でのケア方法については、術後に歯科医院で具体的な指導があるため、その指導に従って日々のケアを怠らないようにしましょう。
オールオン4の治療を受ける際には、実績があり信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。
オールオン4では、4本のインプラントで12本の人工歯を支えるため、高度な技術と経験が必要とされます。オールオン4に精通した歯科医のもとで治療を受けることで、満足のいく仕上がりを期待できます。
さらに、技術だけでなく歯科医との相性も大切です。治療前のカウンセリングで疑問や不安に対して親身に対応してくれる歯科医を選ぶことで、安心して治療を進めることができるでしょう。
オールオン4で後悔しないためには、歯科医の技術力だけでなく、歯科医院の設備も確認してください。特に以下3つの設備があるか、事前に確認しておきましょう。
最新の設備は、正しい治療計画の立案や精度の高い手術を可能にし、治療の質を向上させます。どのような環境で治療が進められるのか、カウンセリング時に確認してみてください。
オールオン4は、全ての方に適しているわけではありません。以下のような方々には、特に治療方針の相談が必要です。
たとえば、残存歯がある方はオールオン4の治療を進める前に、全ての歯を抜く必要があります。また、顎の骨が十分でない場合や持病がある方は、オールオン4が適していないことがあります。
オールオン4をすることでどんな影響があるのか、そもそも治療を進められるのかを個人で判断するのは困難でしょう。そのため歯科医師とよく相談し、自身に最適な治療法を選ぶことが大切です。
上記でご紹介した以外にも、オールオン4ができない人・向いていない人がいます。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
治療中や治療後に違和感を感じたら、すぐに歯科医師に相談することが大切です。どれだけ丁寧に自宅でケアをしていても、インプラント周囲炎のリスクは完全には排除できません。インプラント周囲炎は進行が早いため、早期に治療をおこなう必要があります。
インプラント周囲炎が発症すると、以下のような症状が現れます。
これらの症状を感じたら、放置せず早期に歯科医師へ相談し、インプラント周囲炎の早期発見・早期治療をしてもらいましょう。
また、噛み合わせの違和感も相談することで、人工歯に不自然な力がかかるのを防ぎ、破損を避けることが可能です。違和感を感じたら、早めに相談してください。
オールオン4の違和感については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
オールオン4の治療を受ける前に、禁煙を心がけましょう。喫煙は、オールオン4の成功を妨げる多くの要因を含んでいます。
たとえば、タバコによって細胞が傷つき血流が低下し、栄養供給が阻害されることで、治療による傷口の治りが遅くなります。また、インプラント周囲炎のリスクが高まり、インプラントの脱落の可能性も増します。
オールオン4の成功率を高めるためにも、禁煙を徹底してください。
オールオン4の術後には、患部を圧迫しないようにしましょう。手術後はどうしても患部が気になってしまいますが、無闇に圧迫すると、インプラントと顎の骨との結合を妨げる可能性があります。
特に術後1ヶ月程度は、舌で触ったり固いものを噛んだりはせず、インプラントに余計な負荷をかけないように心がけてください。
オールオン4の治療費用には幅がありますが、一般的な相場は片顎で150万円〜350万円です。相場よりもあまりに安い治療費用を提示する歯科医院は避けたほうが良いでしょう。
オールオン4の費用には、使用するインプラントや人工歯の素材の費用が含まれています。極端に安い料金を提示している場合、安価な素材が使用されている可能性が高く、耐久性や審美性、機能性に問題があることがあります。
安い治療費に惹かれる気持ちは理解できますが、品質の低い素材を使った結果、すぐに破損したり見た目に違和感を感じたりすると、後悔することになります。オールオン4の治療は長期的な投資と考え、適正な価格かつ信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。
オールオン4の費用を抑えたい場合は、インプラントオーバーデンチャーという選択肢もあります。インプラントオーバーデンチャーは、入れ歯をインプラントで固定することで、安定性を高める治療法です。
この治療法では、インプラントを固定源にするため、通常の入れ歯のように食事や会話の際にズレたり違和感を感じたりすることがありません。たとえば、ステーキを噛み切ったり、りんごを丸かじりしたりと、従来の入れ歯では難しかったことが可能になります。
オールオン4が4本のインプラントで固定するのに対し、インプラントオーバーデンチャーは一般的に2本のインプラントで固定されます。インプラントの本数が少ない分、費用を抑えることが可能です。
また、現在使用している入れ歯をそのまま利用できる場合もあり、上部構造の入れ歯の費用がかからないこともあります。
格安のオールオン4を選ぶくらいであれば、インプラントオーバーデンチャーを検討するのも一つの手段といえます。
オールオン4の後悔について解説してきましたが、もちろんオールオン4にはメリットもあります。ここからは、以下4つのメリットについてご紹介していきます。
それぞれ見ていきましょう。
オールオン4は、インプラントを顎の骨にしっかりと固定するため、非常に安定性の高い治療法です。入れ歯やブリッジと比べて、安定感が格段に向上します。
そのため、入れ歯では噛みにくかった食べ物も、オールオン4なら天然の歯に近い感覚で噛むことができ、美味しく食事を楽しむことができます。
オールオン4は、審美性に優れた治療法です。天然歯とほとんど見分けがつかないほどの自然な仕上がりを実現します。歯の色や形、歯並びや噛み合わせも患者の方に合わせて作成されるため、違和感のない美しい見た目を期待できます。
オールオン4によって、人前で口元を気にせずに笑ったり、はっきりと発音して会話を楽しんだりすることができるようになるでしょう。
オールオン4は固定式のため、入れ歯のように取り外してメンテナンスをする必要がありません。そのため、外出先や旅行中など、着脱によるメンテナンスのことを気にせず楽しめるでしょう。
また、歯茎に食べ物が挟まって痛むことも少ないため、快適な生活を送れます。
オールオン4は、顎の骨が痩せるのを防ぐ効果があります。
歯を失った状態や一般的な入れ歯では、歯槽骨という歯を支えている骨が噛み合わせの刺激を受けなくなり、骨が吸収されてしまうことがあります。
一方オールオン4は、顎の骨に直接刺激を与えるため、骨吸収を抑える効果が期待できます。これにより、顎の骨の変形を防ぎ、若々しいイメージを保つことが可能です。
オールオン4は、健康的かつ審美性の高い歯を手に入れることができる治療法ですが、インプラント周囲炎の発症や術中のミスなどによって、治療しなければよかったと後悔を生むことがあります。
そのため、信頼できる歯科医院選びやオールオン4前の歯周病・虫歯治療などが重要です。今回ご紹介したような対策を正しく理解し、実践してみてください。
ソレイユデンタルクリニックでは、オールオン4を含むインプラントについてのご相談を随時受け付けております。術前・術後のケアまで徹底しておこなわせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
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