「インプラント治療をおすすめしない理由が知りたい」「インプラント治療のリスクやデメリットを理解したい」「インプラント以外の治療法と比較したい」と思っていませんか?
インプラントは、歯を失った場合の治療方法としておすすめですが、個々の口腔内や身体の健康状態は異なるため、歯科医院を受診し、自身に最適な治療なのかを見極める必要があります。
この記事では、「インプラント治療はおすすめしないのか、おすすめしない人・する人」を紹介します。インプラント治療ができない場合やインプラント以外の治療方法まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
インプラント治療は、歯を失った箇所に人工の歯根を顎の骨に埋め込み、それを土台に人工の歯を装着する治療です。インプラントにすると、天然歯とほとんど変わらない優れた噛み心地と、美しい見た目を手に入れられます。
ただし、インプラント治療は、すべての人に万能でおすすめできるわけではなく、実際には身体の状態や生活習慣、治療に対する考え方などによっては、おすすめできないケースが存在します。
そのため歯科医師から、インプラントではなく入れ歯やブリッジなど、その他の治療を提案されることがあるのも事実です。
インプラントを検討されている方は、インプラントの良い側面だけでなく、デメリットやリスクに関する正しい理解も重要となります。
インプラント治療をおすすめしない人・避けた方が良いケースは、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
外科手術によって神経や血管へ影響が考えられる場合、インプラント治療は避けたほうが良い場合があります。インプラントによる治療時に、神経や血管を傷つけるリスクが高く、手術後の麻痺や出血などの合併症が発生する場合もあるためです。
また、インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、神経や血管の近くにインプラントを配置することは、デリケートな手術です。もし神経や血管が近い場所にインプラントを埋める必要がある場合、ほかの治療法(入れ歯やブリッジ)も検討してみましょう。
健康状態に不安がある場合、インプラント治療は慎重に判断する必要があります。たとえば、糖尿病や心血管疾患などがあると、治療後の回復の遅れや、感染症のリスクも増加します。
また、体調が不安定な状態は、免疫力が低下しているため、インプラント治療における成功率も低下します。
病歴に不安がある場合は、事前に歯科医師に相談し、ほかの選択肢を検討してみてください。
顎の骨が不足していると、インプラントが適応できません。インプラントは骨にしっかりと固定されるため、十分な骨量が必要です。
また、骨量が不足しているとインプラントが安定せず、治療が失敗する可能性も高くなります。
ただし、骨造成手術やほかの治療法も検討できるため、適切な検査を受けたうえで、歯科医師へよく相談しましょう。
経済的に費用面での不安があり、治療費を抑えたい方は、インプラント治療は高額になるため、ほかの方法を検討するのが良い場合もあります。インプラントは保険が適用されない自由診療であり、費用相場も「30万〜40万円」程度と負担も大きいです。
通常、インプラント治療には手術、材料、アフターケアなどの費用がかかります。もし予算を抑えたい場合は、入れ歯やブリッジを考慮するのも良いでしょう。
インプラント治療は時間がかかるため、短期間で治療を完了させたい方には向いていません。インプラントは手術を含むため、治癒期間が必要であり、すぐに完了するのは難しいです。
インプラントの治療は、顎の骨がインプラントを受け入れるまで「下顎で約6カ月」、「上顎で約12カ月」を要します。治療を早急に終わらせたい方は、入れ歯やブリッジなど、ほかの選択肢を検討するのがおすすめです。
チタンアレルギーをお持ちの方は、インプラントを避けた方が良いケースもあります。インプラントは、通常「チタン」や「ジルコニア」が使用され、体内で反応を引き起こす場合があります。
もしアレルギー反応が起きると、治療の失敗や炎症を引き起こす場合もあるため、歯科医師とよく相談が必要です。アレルギーが心配な場合は、事前にアレルギー検査をおこない、自身に適した治療法を検討してください。
インプラント治療をおすすめする人は、以下のとおりです。
ひとつずつ解説します。
入れ歯に不安や違和感を感じる方は、インプラントがおすすめです。入れ歯は動きやすく、食事や会話に支障をきたす場合があります。
一方インプラントは、顎の骨にしっかりと固定され、入れ歯よりも安定感があります。もし入れ歯に対する将来的な不安がある場合、インプラント治療を歯科医に相談してみましょう。
失った歯の周囲の健康な隣の歯を削りたくない場合、インプラントは理想的な選択肢です。ブリッジは隣接する歯を削る必要がありますが、インプラントはほかの歯に負担をかけません。
インプラントは顎の骨に直接埋め込まれ、自立して機能するため、健康な歯を削らずに済みます。ブリッジに抵抗がある場合、インプラントを検討するのがおすすめです。
残っている健康な歯に負担をかけずに治療をしたい場合は、インプラントが最適です。たとえば、入れ歯やブリッジの場合は隣接する歯を削る必要があり、健康な歯に負担をかけます。
しかし、インプラントは独立して機能し、ほかの歯にも影響を与えません。インプラント治療は、健康な歯を保護したい場合の選択肢としておすすめです。
歯磨きなどのケアを簡単にしたい方は、インプラント治療がおすすめです。インプラントは天然歯と同じようにブラッシングやフロスでケアできるため、入れ歯のように取り外しが必要ありません。
日々の口腔ケアがシンプルで、特別な手間がかからず、時間の節約にもつながります。
インプラント治療は、天然歯のような自然な見た目を実現できる治療法です。インプラントは、一般的にチタン製の根を顎の骨に埋め込むため、歯や歯茎など周囲の見た目も天然歯とほぼ変わらず、審美性が高いです。
被せ物も歯の色に合わせて製作できるため、ほかの治療法よりも自然な仕上がりになります。インプラントを選択することで、普段の会話や食事がしやすく、笑顔に自信が持てるようになるでしょう。
インプラントは、顎の骨がしっかりしている方に効果的な治療方法です。顎骨に直接インプラントを固定できるため、長期間安定して使用できます。
インプラント治療は骨との結合が強固になるため、噛む力をしっかり伝えられます。よって顎骨の吸収を極力抑えられる点も、インプラントの魅力です。
インプラントは、長期間の安定性を重視したい方にもおすすめです。インプラントは顎の骨との強固な結びつきによって、ほかの治療法に比べると寿命も長いです。
適切なケアをおこなうことで、インプラントは10年以上にわたって使用できます。将来的に長い寿命を保ちたいとお考えの方は、インプラント治療がおすすめです。
以下のケースでは、インプラント治療ができない可能性もあります。
それぞれ解説します。
骨粗鬆症がある場合、インプラント治療はできない場合があります。骨密度が低いと、インプラントが十分に固定されず、治療後に脱落のトラブルが起こる可能性もあります。
通常インプラントは顎の骨に埋め込まれるため、顎骨の量が多く、強度が高い状態が前提です。事前に骨密度を確認し、歯科医師へ相談のうえ、どのように治療を進めるのかよく検討しましょう。
18歳以下の未成年の場合、インプラント治療をおこなうのは避けたほうがよい場合があります。一般的に未成年の場合は、顎の骨が完全に成長していないため、インプラントが安定しません。
インプラントがしっかり固定されるためには、骨の成長が終了している必要があります。歯科医師の診断結果によって、年齢を考慮した治療計画を立てることで、最適なタイミングで治療をおこないましょう。
歯周病や虫歯が進行している状態では、インプラント治療は適応できません。もし感染症があると、インプラント治療が成功する可能性も下がります。
口腔内が健康ではない場合、インプラントの周りの組織に問題が発生するケースもあるため、感染リスクが高まります。まずは口腔内の治療をおこない、歯周病や虫歯を完治させてからインプラント治療を検討しましょう。
糖尿病や高血圧などの持病がある場合、インプラント治療は慎重に検討しましょう。もし疾患があると、治癒の遅れや感染症にかかりやすくなります。
基本的に、糖尿病は血糖値の管理が不十分だと治癒が遅くなり、高血圧は手術前後のリスクを高めます。持病がある場合は、歯科医師と相談し、適切な治療方法を選択するのが重要です。
妊娠中は、インプラント治療を避けた方が良いです。ホルモンの変動が治療に影響を与え、麻酔や薬剤の使用にも注意が必要となります。
また、妊娠中は体調が不安定になりやすく、治療後の回復が遅れる場合があります。妊娠中の治療は避け、出産後にインプラント治療をおこなうようにしましょう。
腎疾患があり血液透析を受けている場合、インプラント治療は適さない場合があります。体のなかの免疫力が低下しており、感染症にかかりやすいのが主な理由です。
たとえば、透析治療中の患者は、免疫力が低いため、インプラント周囲の感染リスクが増加します。腎疾患がある場合は、医師に相談し、治療方法を再検討するのがおすすめです。
インプラント以外の治療方法は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
入れ歯とは、失った歯の代わりに装着する取り外し可能な義歯のことです。インプラントと比べて外科手術が不要で、費用も比較的安価なため身体的・経済的負担が軽減されます。費用相場は、部分入れ歯で「10万〜50万円」程度、総入れ歯で「40万〜50万円」程度です。
しかし、装着時の違和感や咀嚼力の低下が起こる場合もあり、自然な噛み心地はインプラントに劣ります。
ブリッジとは、失った歯の両隣の健康な歯を削って支台にし、その間に人工歯をつなげて補う治療法です。入れ歯と同様に手術が不要で治療期間が短い一方で、健康な歯に負担がかかり、将来的に歯の寿命を縮める可能性もあります。
見た目や咀嚼機能の回復は比較的良好ですが、長期的な安定性はインプラントに劣る場合があります。
自分に合った治療法を選ぶための歯科医院の選び方は、以下のとおりです。
ひとつずつ紹介します。
治療前の丁寧なカウンセリングは、最適な治療を選択し、治療を成功させるうえで重要な要素となります。
歯科医師は、患者一人ひとりの口腔状態や希望を正確に把握し、リスクやメリットを詳しく説明をおこないます。その際に、インプラント治療のリスクや費用、代替治療の選択肢まで詳しく相談できる歯科医院は安心感が得られます。
まずはカウンセリングの質を確認し、不安や疑問を解消できる歯科医院を選びましょう。
学会認定資格を持つ歯科医師がいる歯科医院は、専門性が高く信頼性を得られます。資格の取得は、最新の知識や技術を習得し、質の高い治療を提供している証拠です。
また、実際に認定医がいることで、難しい症例やリスク管理も的確に対応してくれるでしょう。
歯科医師の実績や症例数が多いことは、治療の成功率や安心感に直結します。豊富な症例を経験している医師ほど、さまざまな状況に対応できるスキルや知識を保持しているケースも多いです。
たとえば、長年インプラント治療を手がけている医師であれば、手術のリスクを最小限に抑えられます。事前に実績を確認し、信頼できる医師を選ぶようにしてください。
最新の設備や機器を備えた歯科医院は、安全かつ精密な治療が可能です。歯科用CTやデジタル技術の導入により、正確な診断と計画が可能となります。
CT撮影の場合、顎の骨の状態を詳細に把握できるため、手術リスクの軽減につながります。設備の充実度はインプラント治療の質に大きく影響するため、必ずチェックしましょう。
インプラント治療後のアフターケアや保証制度が整っていることは、将来的な安心につながります。もし万が一トラブルがあった場合でも、迅速に対応してもらえます。
たとえば、インプラントの不具合に対して無料や低価格で修理・再治療が受けられる医院は信頼性が高いです。治療を受ける前に、歯科医院が提供しているサポート内容を確認しておくのがおすすめです。
インプラントは、歯を失った場合の治療方法としておすすめですが、個々の口腔内や身体の健康状態は異なるため、歯科医院を受診し、自身に最適な治療を受けるのがおすすめです。
また、歯科医師の診断結果に応じてインプラント治療ができない場合もあるため、気になる症状がある方は、早めに歯科医院を受診しましょう。
ソレイユデンタルクリニックでは、インプラントについてのご相談を随時受け付けております。術前・術後のケアまで徹底しておこなわせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
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