「インプラントにしたいけれど、治療期間が長そうで不安」「仕事や生活にどれくらい影響が出るの?」と、治療への一歩を踏み出せずにいませんか?
入れ歯やブリッジと違い、あごの骨との結合を待つインプラントは、一般的に「6カ月〜12カ月」程度の期間が必要です。長く感じるかもしれませんが、具体的な治療の流れや「なぜ時間がかかるのか」を理解すれば、先が見えない不安は解消されます。
そこでこの記事では、検査からメンテナンスまでの詳細なスケジュールや、期間が長引くケース、よくある質問までを徹底解説します。
インプラント手術後の日常生活における疑問や不安を解消し、治療計画への納得度を高めるために、ぜひ最後までご確認ください。
インプラントの治療期間の目安は、一般的に「6カ月〜12カ月」です。
また上顎か下顎かによっても治療期間が変わります。顎骨の状態や治療する場所(上顎か下顎か)によって、インプラントと骨が結合するスピードが異なるからです。骨が硬くてしっかりしている下顎は6カ月程度(最短で3ヶ月)、骨が柔らかい上顎は6カ月〜12カ月程度かかる傾向にあります。
入れ歯やブリッジが1カ月〜2カ月程度で終わるのと比較すると、インプラントは長く感じるかもしれません。しかし、顎骨にしっかりと固定され、自分の歯のように噛めるようになるためには、焦らずじっくりと時間をかけて治す必要があるのです。
インプラントの治療期間は個人差が大きく、一概に「これくらい」と言い切れないのが実情です。なかには、口内環境や健康状態によって、追加の処置が必要になるケースもあります。
たとえば、歯周病が進行していて骨が溶けてしまっている場合は、骨を増やす「骨造成(こつぞうせい)」という手術が必要です。その場合、治療期間が半年ほど延びることがあります。
また、糖尿病などの持病がある場合も、傷の治りが遅くなる傾向があるため、慎重に経過を見る必要があります。
最短期間で終わる方もいれば、1年以上かけて丁寧に治療を進める方もいらっしゃいます。まずは歯科医師による診断を受けるのが確実です。
インプラント治療の流れとそれぞれの期間・ポイントは、大きく分けて「事前カウンセリング・精密検査」「手術」「治癒期間」「人工歯の装着」の4段階で進みます。
治療全体の見通しを立てるためには、各ステップで「何をおこない」「どれくらいの期間がかかるのか」を知っておくことが大切です。
ここからは、具体的な治療のステップごとに、詳しい期間や注意すべきポイントを解説します。
事前のカウンセリング及び精密検査にかかる期間は、2日〜2週間程度です。その間に2〜3回の通院を伴います。
まず初回のカウンセリングで、患者さんの歯のお悩みや「どのような歯になりたいか」という希望を詳しくヒヤリングします。そのうえで、インプラント治療が適しているか、安全に手術がおこなえるかを判断するために、さまざまな検査を実施します。
検査結果をもとに綿密な治療計画を立て、費用の見積もりや期間の目安を提示するには、ある程度の時間が必要です。この段階で、不安な点や疑問点をすべて解消しておくと、納得して治療をスタートできます。
レントゲンやCTによる骨の状態確認は、安全なインプラント手術をおこなうために絶対に欠かせない工程です。
顎骨の中には、太い神経や血管が通っており、それらを傷つけずにインプラントを埋め込む必要があります。とくに歯科用CT(3次元撮影)を使用すると、レントゲン(2次元)では見えない骨の厚み、高さ、奥行き、骨の密度まで正確に把握できます。
この精密検査をおろそかにすると、重大な事故につながるリスクがあるため、時間をかけて慎重に診断をおこないます。
虫歯や歯周病などの治療は、インプラントの手術前におこない、口腔内を清潔な状態にする必要があります。口の中に虫歯菌や歯周病菌が多い状態で手術をすると、傷口から細菌が入り込み、感染症を引き起こすリスクが高まるからです。
とくに歯周病は、インプラントを支える骨を溶かしてしまう「インプラント周囲炎」の最大の原因となります。インプラントの土台となるお口の環境を整えるのが、結果的にインプラントを長持ちさせる近道となります。
虫歯や歯周病の治療をおこなう場合は、「2〜3回+数回」の通院が必要になる場合が多いです。
インプラント手術にかかる日数は、入院の必要がないため1日〜2日です。その間1〜2回の通院が必要です。
手術自体にかかる時間は、埋入する本数や難易度にもよりますが、1本あたり30分〜1時間程度で終了します。また、インプラントの手術方法は大きく分けて「1回法」と「2回法」の2種類があり、骨の状態によって適切な方法が選ばれます。
1回法とは、インプラント体(人工歯根)を埋め込む手術時に、歯肉のうえにアバットメントを同時に取り付ける治療方法です。
インプラントを骨に埋め込む際に、アバットメントの頭の部分を歯ぐきの外に出した状態で縫合します。そのため、骨と結合したあとに再度歯ぐきを切開する手術が不要で、患者さまの身体的負担が少ないのがメリットです。
ただし、傷口から細菌感染するリスクがわずかにあるため、骨の量が十分で硬さもしっかりある場合に適用されるケースが多いです。
2回法とは、外科手術を2回に分けておこなう治療法です。
1回目の手術でインプラントを骨に完全に埋め込み、一度歯ぐきを閉じて縫合します。これにより、インプラントが細菌に触れるリスクを最小限に抑えながら、骨と結合させることができます。
その後、インプラント体と顎骨が十分に結合したのを確認してから、2回目の手術で歯ぐきを少し切開し、アバットメントを装着します。
2回法は感染リスクを抑えたい場合だけでなく、歯ぐきや骨の状態が不安定な場合や骨造成を伴うケースなど、軟組織と骨の安定性を重視する際にも選択される治療法です。
インプラント定着期間は、手術後3カ月〜6カ月程度です。この定着期間は「オッセオインテグレーション」と呼ばれ、チタン製のインプラントと顎骨が分子レベルで結合するのを待つ重要な時期です。
そして、オッセオインテグレーションを確実に進めるために、術後の状態確認として1〜3回程度通院する必要があります。
3ヶ月〜6ヶ月と聞くと気が遠くなってしまいそうですが、焦らずに待つことが、治療成功の鍵を握ります。
手術直後~抜糸までの期間は、約1週間〜10日程度です。
手術当日から翌日は出血や腫れが見られる場合がありますが、徐々に治まっていきます。翌日の消毒で経過を確認し、傷口がふさがったのを確認してから抜糸をおこないます。
この期間は、傷口を守るために激しい運動や長時間の入浴を控え、歯ブラシを患部に当てないようにするなど、安静に過ごすことが大切です。抜糸が終われば、歯ぐきの引きつった感じがなくなり、口の中が楽になります。
治癒期間は、インプラントと骨が強固に結びつくのを待つ待機期間です。
通院頻度は多くて1カ月に1回程度になり、レントゲン撮影や噛み合わせのチェックをおこなって経過を観察します。下顎は骨がしっかりしているため3カ月程度、上顎は骨が柔らかいため6カ月程度かかるのが一般的です。
この期間中は、仮歯を入れている場合もありますが、硬いものを噛んだり、強く食いしばったりしないように注意してください。メンテナンスを継続しながら、次のステップへの準備を整えます。
人工歯のセットにかかる期間は、装着をおこなう当日(1日)で完了します。
骨とインプラントが完全に結合し、歯ぐきの状態も安定したら、精密な型取りをおこない、最終的な人工歯(被せ物)を作製します。完成した人工歯を装着し、噛み合わせの高さや隣の歯との当たり具合を微調整すれば治療は完了です。
また、装着した直後は違和感がある場合もあるため、数週間後に再度チェックをおこないます。
インプラント治療終了後は、定期的なメンテナンスを受けることが必須となります。
「人工の歯だから虫歯にならないし、放置しても大丈夫」と考えるのは大きな間違いです。インプラントは人工物であるため、天然の歯よりも細菌への抵抗力が弱く、「インプラント周囲炎」という歯周病のような病気にかかりやすい特徴があります。この病気が進行すると、せっかく埋め込んだインプラントが抜け落ちてしまう危険性があるのです。
治療が終わったあとも、3カ月〜6カ月に1回は歯科医院に通い、噛み合わせのチェックや専用の器具を使ったクリーニングを受けるようにしてください。
インプラント治療期間が長期化する主な要因は、インプラントを支えるための「骨の量や高さ」が不足していることです。
骨が不足している状態で無理にインプラントを埋め込むと、突き抜けてしまったり、すぐにグラグラしてしまったりするリスクがあります。そのため、骨を増やすための追加手術が必要になり、その骨が固まるまでの期間が治療全体に加算されるのです。
ここでは、代表的な3つの追加手術について、どれくらいの期間が必要になるのかを解説します。
骨移植や骨造成(こつぞうせい)手術をおこなうと、治療期間が4カ月〜7カ月程度延びるのが一般的です。自分の別の部位の骨や、人工骨を不足している部分に補填し、それが自分の顎骨としてしっかりと固まるのを待つ必要があるからです。
ブロック状の骨を移植する場合や、粉砕した骨を詰める場合など方法はさまざまですが、いずれも「骨が再生する時間」を短縮することはできません。
骨誘導再生(GBR法)をおこなった場合、追加でかかる期間の目安は3カ月〜6カ月程度です。
GBR法とは、骨が足りない部分に骨補填材を入れ、その上から「メンブレン」という特殊な人工膜で覆う処置のことです。骨の再生スピードは、歯ぐきの再生スピードよりも遅いため、膜でガードして歯ぐきが入り込まないスペースを確保し、骨の再生を促すことが目的です。
インプラントの埋入と同時におこなう場合と、事前におこなう場合がありますが、どちらにしても骨が成熟するのを待つ期間が必要となります。
歯茎の移植手術をおこなうと、1カ月〜2カ月程度期間が延びる場合があります。
インプラントを長く使い続けるためには、骨だけでなく、インプラントの周りを取り囲む硬くて丈夫な歯ぐきが重要です。歯ぐきが薄い場合は、歯磨きがしにくかったり、細菌が入り込みやすかったりするため、上顎の内側などから歯ぐきを採取して移植をおこないます。
移植した歯ぐきが定着し、傷口がきれいになるまでには数週間の安静が必要です。
最後に、インプラントの治療期間に関して、患者さんからよくいただく質問をまとめました。代表的な5つの疑問について、わかりやすく回答します。
インプラントの平均的な治療期間は、およそ6カ月〜12カ月です。
下顎の手術であれば比較的早く、3カ月〜6カ月程度で終わることもありますが、上顎の手術や骨を増やす処置が必要な場合は、1年以上かかるケースも珍しくありません。これは、インプラントと骨が結合するスピードに生理的な限界があるためです。
「早く歯を入れたい」と焦る気持ちもあるかと思います。ですが急いで治療を進めて失敗するよりも、十分な時間をかけて確実に治すほうが、結果的に長く快適に使い続けられます。
抜歯をしてからインプラントを入れるまでは、通常2カ月〜6カ月ほど期間を空けます。歯を抜いた直後は、顎骨に穴が開いている状態で、歯ぐきもまだ治っていません。この穴がふさがり、骨が回復するのを待ってからインプラントを埋め込むのが基本的な流れです。
近年では「抜歯即時埋入」といって、抜歯と同時にインプラントを入れる方法もあります。骨量・骨密度・感染の有無・初期固定の確保など厳しい条件が必要で、適応できる症例は限られます。
多くのケースでは仮歯や仮義歯を使用するため「歯がない状態」で過ごすことはほとんどありません。
インプラントと骨が結合するのを待っている数カ月の間は、見た目や食事に困らないよう仮歯や仮の入れ歯を使用します。とくに前歯のように目立つ部分であれば、手術当日に仮歯を入れるケースがほとんどです。
ただし、仮歯はあくまで一時的なものであり、強度は強くありません。強く噛んだり、硬いものを食べたりすると、埋め込んだばかりのインプラントに負担がかかるため、食事の際は注意が必要です。
また奥歯など噛み合わせに大きな影響がない場合は、あえて仮歯を付けない方が治癒に適しているケースもあります。
インプラント治療は数日で終わるものではなく、通院回数にして最低でも6回〜10回程度、期間は数カ月かかります。
「1日で噛める」という広告を見かけることがありますが、それはあくまで「手術をして仮歯が入るまでが1日」という意味であり、治療の全工程が1日で完了するわけではありません。骨との結合を待ち、精密な型取りをおこない、最終的な人工歯を装着し、メンテナンスへ移行するまでには、どうしても一定の期間が必要です。
インプラント手術のあとは、必ずしも仕事を休む必要はなく、翌日から通常通り出勤される方がほとんどです。
手術の規模にもよりますが、デスクワークや家事であれば、翌日からおこなっても問題ありません。ただし、手術当日は麻酔が効いているため、車の運転や激しい運動は控えて、自宅で安静に過ごしてください。
また、力仕事や激しいスポーツをする方の場合は、出血や腫れを防ぐために、術後2日〜3日はお休みを取るか、業務内容を調整することをおすすめします。
インプラントの治療期間は「6カ月〜12カ月」が目安ですが、あごの骨の状態や追加手術の有無によって個人差があります。「長くかかる」と感じるかもしれませんが、焦らずじっくりと骨と結合させる期間こそが、治療後に何十年も安定して噛める歯を作るための重要な土台となります。
治療中は仮歯を使用するため、歯がない期間を心配する必要はありません。まずはご自身の歯や骨の状態を正しく知ることが、理想の口元を取り戻す第一歩です。
ソレイユデンタルクリニックでは、患者さまのライフスタイルに合わせた無理のない治療計画をご提案します。期間やスケジュールについてもお気軽にご相談ください。
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
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