「喫煙者はインプラント治療できない?」「喫煙がインプラント治療に与える影響は?」「治療時は禁煙が必要?」と思っていませんか?
喫煙習慣があると、インプラント治療はできないとあきらめてはいないでしょうか。結論、今から禁煙を始めることで、インプラント治療が可能になります。
この記事では、「喫煙してもインプラントはできるのか、治療に与える影響・リスク」を紹介します。新型タバコ(加熱式・電子)のケースや、喫煙者におけるインプラント治療前後の注意点まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
インプラント治療は喫煙者でも受けられますが、基本的には「禁煙」が必要です。
日本歯周病学会の調査によると、喫煙者と非喫煙者に261名(959 本)のインプラントを埋入後のインプラントの生存率と合併症についての報告にて「全体の失敗率は2%であった」かつ、「喫煙者での失敗率は4%で2倍であった」とのデータもあります。
さらに、喫煙者の合併症発生率は「喫煙者が46%」かつ「非喫煙者が31%」と、非喫煙者と比較して有意に高かったとの調査結果も出ています。
インプラントの治療期間中だけでなく治療後も禁煙を継続することで、合併症のリスクを抑え、インプラントの長期的な安定性の維持が可能です。
インプラント治療をおこなう場合は、新型タバコ(加熱式・電子)の場合も「禁煙」は必要です。ニコチンやタールが少量でも含まれている製品の場合、血流を悪化させ、インプラント治療に悪影響をおよぼす場合があります。
治療後の自然治癒やインプラントの安定性を保つためには、基本的にタバコ製品の使用を避けるのが望ましいです。
喫煙がインプラント治療におよぼす影響・リスクは、以下の6つです。
それぞれ解説します。
喫煙によりニコチンが血管を収縮させると、血流が悪化します。インプラント周囲の骨や組織への酸素や栄養の供給が不足し、骨結合が妨げる原因になりやすいです。
また、インプラントの定着が不十分になると、インプラント体が脱落するリスクもあり、最悪の場合は再手術の可能性もあります。
喫煙は口腔内の細菌に対する抵抗力を弱めるため、免疫力を低下させやすいです。インプラント周囲の組織が炎症を起こした場合、インプラント周囲炎を発症するリスクがあります。
さらに、インプラント周囲炎が進行すると、最終的にインプラント体が脱落するケースもあり、治療が失敗に終わる可能性も否定できません。
タバコに含まれるニコチンは、唾液腺の働きを抑制する場合があります。唾液は口腔内の清掃や抗菌作用、酸性を中和させる役割があるため、唾液の分泌が減少して口腔内の細菌増殖を促進すると、虫歯や歯周病につながりやすいです。
そのため、唾液の分泌を維持するには、禁煙が推奨されます。
喫煙者は、非喫煙者と比べて以下のような要因によって、インプラント手術が失敗する確率が上がります。
複合的な要因があるため、手術の成功率を高めるには禁煙が必要です。
インプラントの治療期間の平均は、「6ヶ月程度」です。
喫煙が原因でインプラントと骨の結合が遅くなると、「1年以上」かかる場合もあります。
喫煙はインプラント周囲炎や感染症のリスクを高め、インプラントの寿命を縮める原因になります。組織の回復力が低下すると、インプラントの長期的な安定性が損なわれるため、禁煙の習慣を身に付けることが重要です。
喫煙者のインプラント治療前と治療後の注意点を、それぞれ紹介します。
インプラント治療前の注意点は、以下の3つです。
ひとつずつ解説します。
インプラント治療を成功させるために、治療前から禁煙サポートを利用するのが望ましいです。
タバコに含まれるニコチンによって、自力での禁煙が見込めない場合もあります。
そのため、禁煙外来やサポートプログラムなどを活用し、積極的な禁煙への取り組みが推奨されます。歯科医院とも連携し、専門的な指導を受けるようにしましょう。
健康な口腔環境は、インプラント治療の基盤となります。治療前に虫歯や歯周病がある場合、インプラント周囲炎になるリスクもあるため注意が必要です。
インプラント治療の成功のためには、歯科医師の指示に従い、歯のクリーニングで歯垢や歯石を除去するなど、口腔内の健康を整えておきましょう。
喫煙者のインプラント治療では、喫煙習慣を考慮した治療計画が求められます。主に、健康な生活習慣への配慮が重要です。
喫煙は治療に悪影響をおよぼすため、歯科医師との喫煙状況の共有が重要です。もしすぐに禁煙が難しい場合は、歯科医師と相談のうえ「手術前後の禁煙期間を設ける」など、個別のリスクに応じた治療計画を立てましょう。
インプラント治療後の注意点は、以下の3つです。
それぞれ解説します。
インプラント治療前と同様で、治療後も禁煙を継続してください。喫煙は血流を悪化させるため、インプラントと骨の結合を阻害します。
さらに、タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させると、酸素や栄養素の供給を減少させ、自然治癒の遅延にもつながります。よって、治療後も禁煙習慣を継続することが大切です。
インプラント治療後は、適度な運動やバランスの取れた食事など、健康的な生活習慣を取り入れましょう。定期的な運動は血行を促進し、栄養バランスの良い食事は組織の修復をサポートしてくれます。
生活習慣の改善は、全身の健康だけでなく、インプラントの長期的な健康維持につながります。
インプラント治療では、定期的なメンテナンスと口腔内のケアが不可欠です。定期的なメンテナンスによって、治療後のインプラント周囲の健康状態を確認でき、問題が生じても早期発見が可能となります。
また、口腔内の健康を維持できるため、インプラントの寿命をより延ばせます。
喫煙者のインプラント治療に関するよくある質問を以下にまとめました。
インプラント治療では禁煙の習慣化が必要ですが、すぐに難しい場合は、以下の一定期間の禁煙からおこなう場合もあります。
禁煙期間を設けることにより、インプラントと骨の結合がスムーズになるため、炎症や感染リスクも抑えやすくなります。
電子タバコや加熱式タバコも、インプラント治療に悪影響をおよぼす場合があります。タバコにニコチンが含まれている製品の場合、血流を悪化させ、インプラント治療後の自然治癒や安定性に影響をおよぼしかねません。
インプラント治療中は、歯科医師の指示に従い、タバコ製品の使用を避けましょう。
喫煙はインプラント治療の成功率や寿命に影響をおよぼすため、歯科医院によって喫煙者への保証条件を設けている場合があります。
具体的な保証内容や条件は、各歯科医院・クリニックによって異なるため、治療前に確認しておきましょう。
喫煙者がインプラント治療を受ける場合は、血流を悪化させるため、基本的に「禁煙」が必要です。ニコチンやタールが含まれている製品であれば、新型タバコ(加熱式・電子)もインプラント治療に悪影響をおよぼすため、基本的には「禁煙」が求められます。
また、定期的なメンテナンスや正しいセルフケアに加えて、禁煙の習慣化や糖尿病などのリスク管理も不可欠です。禁煙する期間を最小限に抑えて治療を受けたい方や喫煙による治療の失敗を避けたい方は、早めに歯科医院を受診しましょう。
ソレイユデンタルクリニックでは、インプラントについてのご相談を随時受け付けております。術前・術後のケアまで徹底しておこなわせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
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