「インプラントは2本同時にできる?」
「2本同時にインプラントをおこなう費用や治療期間を把握したい」
「治療中でも生活や仕事への影響を少なくしたい」
と思っていませんか?一度に2本の歯を失い、インプラントで治療しようか考えている方も多いのではないでしょうか。
失った歯を2本同時にインプラントで治療することは可能です。この記事では、「インプラントを2本同時に治療可能かや、インプラントにかかる費用やメリット・デメリット」を紹介します。
インプラントで2本同時に治療する際のクリニック選びのポイントも紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
2本の歯を同時に失ったとき、どちらともインプラントで治療することは可能です。
しかし誰でも適応できるというわけではなく、安全に治療をおこなうためには顎の骨の量や患者さんの健康状態などが重要になります。
インプラントを2本同時におこなえるかどうかは、歯科医師に判断を仰ぎましょう。
2本同時のインプラント治療が検討されるケースは、以下の4つです。
1つずつ解説します。
事故や転倒といった外傷で隣り合う歯を2本同時に失うのは、インプラントの同時埋入が検討されるケースの1つです。
突然歯を失うと、食事や会話に支障が出るため、1日でも早い機能回復が望まれます。そのため外傷で歯を失った場合は、治療期間を短縮できるインプラントの2本同時手術が検討されます。
重度の虫歯や歯周病が原因で、並んだ歯を2本同時に抜歯した場合も、インプラント同時治療の適応です。歯を抜いた直後は、インプラントを支えるための顎の骨が十分に保たれている場合が多いです。
抜歯と同時にインプラントを埋め込むと、顎の骨が痩せてしまう前に対処でき、治療を効率的に進められます。そのため、インプラントの2本同時が検討されます。
ブリッジ治療をしていたものの、支えとなっていた両隣の歯が虫歯や歯周病でダメになってしまった場合も、2本同時にインプラントをおこなうケースです。
支える歯を失うとブリッジは再治療できず、3本以上の歯がない状態になります。安定した土台を再建して、噛む機能の回復を図るのに、欠損部分にインプラントを2本同時に埋入するケースが多いです。
食べ物をすり潰す重要な役割を持つ奥歯を2本連続で失った場合、噛み合わせのバランスを早急に回復させるために、インプラントの2本同時治療がおこなわれます。
奥歯がない状態が続くと、残った歯に過度な負担がかかり、歯並び全体が崩れかねません。2本同時にインプラントを入れると、噛む力をしっかり支え、お口全体の崩壊を防げます。
2本同時のインプラント治療ができる人の条件は、以下の4つです。
それぞれ解説します。
インプラントの2本同時治療ができる人の条件は、インプラントを埋め込む場所に、十分な厚みと高さのある顎の骨が存在することです。インプラントは骨にしっかりと固定されて初めて機能するため、土台となる骨が不足していると手術ができないためです。
歯周病や歯を失ってからの期間が長いと骨が痩せている場合があります。そのため、インプラントで2本同時治療する際は、CT検査による精密な診断が必要です。
糖尿病や心臓病、重度の骨粗しょう症といった全身疾患がないのも、安全に手術をおこなう条件の1つです。
たとえば、糖尿病の方で血糖値のコントロールができていないと、手術後の傷の治りが悪く、感染のリスクが高まります。常用しているお薬がある場合も含め、持病についてはカウンセリングの際に歯科医師へ申告しましょう。
口腔内が清潔で、歯周病にかかっていないのも、インプラントで2本同時治療する条件の1つです。
歯周病が残っていると、手術した箇所が細菌に感染し、インプラントが骨と結合せずに抜け落ちる原因になります。
インプラントを始める前には、歯周病の治療を完了させ、毎日の歯磨きがしっかりおこなえる状態であるのが大切です。
喫煙習慣がないのは、インプラントの成功率を左右する要因です。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血流を悪くするため、手術後の傷の治りを妨げます。
また、インプラントと骨との結合を阻害したり、歯周病のリスクを高めたりする場合も。インプラントの2本同時治療を成功させ、口腔内の健康を長期的に維持するためにも禁煙を心がけましょう。
2本同時にインプラント治療するメリットは、以下の5つです。
1つずつ解説します。
2本同時にインプラント治療すると、外科手術を1回で済ませられるため、患者さんの身体的な負担が軽くなる点です。
インプラント手術には麻酔や切開が伴い、術後には痛みや腫れも生じます。インプラントを2本同時に治療することで、体に負担のかかる処置を2回ではなく1回にまとめられるため、手術に不安を感じる方にとって安心できるメリットです。
2本同時のインプラント治療は1本ずつのインプラントと比較して、全体の治療期間を短縮できます。
インプラントは、手術後に骨と結合するまで数カ月の治癒期間が必要です。1本ずつ治療すると、インプラント体と骨が結合する治癒期間が2回必要になりますが、同時に手術した場合は1回で済みます。
早くしっかりと噛めるようになりたい方にとって治療期間短縮が叶うインプラントの2本同時治療は魅力です。
インプラントの2本同時治療は、手術や抜糸といった通院を1回分のスケジュールで済ませられるため、時間的な負担も軽くなります。仕事や学業、家事などで忙しく、何度も歯科医院へ通うのが困難な方にとって、通院回数が減るのはメリットです。
インプラントの2本同時治療で通院回数を減らせると、治療のための時間を確保しやすくなり、日常生活への影響を最小限に抑えられます。
1回の手術で2本のインプラントを埋入すると、手術に使用する器具や設備、薬品などを一度に共用できるため、全体の費用を抑えられる場合があります。歯科医院によっては、複数本同時に治療する場合の割引プランを用意している場合も。
ただし、必ず安くなるわけではないため、事前の見積もりでインプラントの2本同時治療にかかる費用を確認しましょう。
2本同時にインプラントを埋入すると、最終的な人工歯(被せ物)の形や位置、噛み合わせのバランスを計画的に整えやすいのもメリットです。2本の歯を一体として設計できるため、歯と歯の間の歯茎のラインなども含め、より自然で調和の取れた美しい仕上がりを目指せます。
見た目が重視される前歯の治療では、インプラントの2本同時治療における見た目の調和を取りやすい点はメリットです。
インプラントを2本同時に治療するデメリット・リスクは、以下の5つです。
1つずつ解説します。
インプラントの2本同時治療では、1回の手術で2本分の処置をおこないます。そのため、1本ずつおこなうのに比べて手術時間が長くなり、身体的な負担がかかるのがデメリットです。
手術中は麻酔が効いていますが、長時間お口を開けたままの状態が続くのは、患者さんにとって少なからず疲労を伴います。体力に不安のある方は、事前に歯科医師と相談を重ねましょう。
インプラントを2本同時に埋入すると、手術で歯茎を切開したり、骨を削ったりする範囲が広くなるため、術後の腫れや痛みも広範囲に出やすいです。手術後は痛み止めや抗生物質が処方されますが、1本だけの場合よりも症状が強く出る場合があります。
日常生活への影響を考慮し、インプラント手術後数日間は安静にできるスケジュールを確保するのが望ましいです。
2本同時にインプラントを埋め込むには、それぞれの位置に十分な量の顎の骨が必要といった、より厳しい条件が求められます。骨が不足している場合、骨を増やす骨造成といった追加の手術が必要になる場合も。
また、手術範囲が広がるぶん、全身疾患といった健康状態に関する基準もより慎重に判断が必要です。
インプラントの2本同時治療では、1回に2本分の費用を支払うため、治療開始時にまとまった初期費用が必要になる点もデメリットです。1本ずつの場合は支払いを分散できますが、同時治療では困難になります。
デンタルローンや分割払いが利用できる場合もありますが、家計への負担が一時的にかかるため、事前の資金計画がより重要です。
万が一、手術した箇所が細菌に感染するなどのトラブルが起きた場合、その影響が2本分のインプラントにおよぶリスクがあります。隣り合うインプラントが両方とも骨と結合しないといった事態もゼロではありません。
1本ずつの手術に比べると、インプラント周囲炎や脱落などの際に悪影響がおよぶ範囲が広いのも、念頭に置いておきましょう。
インプラントを2本同時に治療する場合の費用相場は、合計で約60万〜100万円程度が目安です。費用には、術前の検査・診断から、インプラント本体の埋め込み、最終的な被せ物(上部構造)の装着までが含まれます。
1本ずつ2回に分けて手術をおこなうよりも、外科処置や麻酔が1回で済むため、総額としては割安になる傾向があります。ただし、顎の骨の量が不足している場合は、骨造成といった追加の処置が必要になり、別途5万〜30万円ほどの費用がかかる場合も。
初回のカウンセリング時に費用を確認し、ご自身の予算と照らし合わせるようにしてください。
インプラント2本同時の費用を抑える方法は、以下の3つです。
それぞれ解説します。
実質的な費用負担を軽減する方法は、確定申告で医療費控除を申請することです。インプラントのような高額な自由診療も対象となり、年間の医療費が10万円を超えた場合に、所得に応じた税金の一部が還付されます。
ご自身だけでなく、生計を共にする家族の医療費も合算できるため、医療費控除の対象にあてはまるかを確認してみましょう。
1回にまとまった費用を用意するのが困難な場合、デンタルローンや院内分割払いを利用すると、月々の負担を抑えられます。デンタルローンは、比較的低い金利で長期の返済計画を立てられるのが特徴です。歯科医院によっては無利息の分割払いに対応している場合も。
デンタルローンや分割払いは、無理のない支払い計画を立てるのに有効な方法です。
インプラントは自由診療であり、同じ治療内容でも費用は歯科医院によって異なるため、複数の信頼できる歯科医院でカウンセリングを受け、精密検査後の詳細な見積もりを比較検討するのが安心です。
単純な金額だけでなく、保証やメンテナンス費用まで含めた総額で判断すると、後悔のない選択ができます。高額なインプラントを検討する際は、無駄な費用を抑えるためにも、複数の歯科医院で見積もり出してもらいましょう。
インプラントで2本同時に治療する際のステップは、以下の6つです。
1つずつ解説します。
カウンセリング・精密検査は、インプラントの2本同時治療が可能か判断し、安全な手術計画の土台を築く最初のステップです。
まずは歯科医師に悩みや希望を伝え、治療の概要を把握します。その後、歯科用CTを始めとする精密機械で、顎の骨の量や神経の位置を三次元的に分析し、インプラントを埋め込めるかを正確に診断してもらいましょう。
治療計画の説明とは、精密検査の結果をもとに、歯科医師が具体的な治療方針を患者さんに提示する段階です。2本のインプラントをどの位置に埋め込むか、3Dシミュレーションを見ながら視覚的に確認できます。
費用総額や治療期間、リスクについても説明を受け、すべてに納得したうえで治療に進むことが大切です。
インプラント埋入手術は、局所麻酔をおこない、2本分のインプラント本体(人工歯根)を顎の骨に埋め込む外科手術です。2本分の手術を1回で完了できるため、麻酔や歯茎の切開も1回で済み、身体的な負担をまとめられるのがメリットです。
衛生管理が徹底された環境で、安全に配慮しながら埋入手術がおこなわれます。
手術後は、インプラントと顎の骨がしっかりと結合するための大切な治癒期間に入ります。骨の状態や生活習慣などにもよりますが、通常3カ月〜6カ月程度です。
手術後の治療期間中は、インプラントに過度な負担をかけないよう注意し、仮歯で見た目を補いながら骨との結合を待ちましょう。
インプラントと骨の結合が確認できたら、人工歯(被せ物)を装着し、治療は完了です。歯型をもとに、周りの歯と自然に調和する色や形の人工歯を2本分製作し、インプラントに連結させます。
人工歯を装着する段階で、噛み合わせの最終調整もおこない、しっかりと噛める機能と美しい見た目を同時に回復させます。
インプラントを長持ちさせるためには、治療完了後の定期的なメンテナンスが大切です。インプラント自体は虫歯になりませんが、インプラントの歯周病といわれるインプラント周囲炎を防ぐためのクリーニングが必要です。
日々のセルフケアとあわせ、歯科医院での検診を受け続けるのが、インプラントを長期的に維持するうえで重要な習慣です。
インプラント2本同時治療で失敗しないためのクリニック選びは、以下の4つです。
それぞれ解説します。
安全に手術を受けるために、歯科用CTをはじめとする精密な検査設備が整っているクリニックを選ぶようにしましょう。
2本以上のインプラントを埋入するには、顎の骨の厚みや神経の位置を三次元で正確に把握する必要があります。手術のリスクを最小限に抑えるためは、歯科用CTデータをもとにしたシミュレーションが欠かせないのです。
インプラントの2本同時治療するクリニックを選ぶ際は、設備が充実したクリニックを選ぶようにしてください。
患者さんの不安に寄り添い、すべての情報を提供したうえで判断を委ねてくれる誠実な姿勢は、クリニック選びの重要な基準です。信頼できるクリニックは、メリットだけでなく、2本同時手術による身体的負担や追加費用の可能性といったリスクも丁寧に説明してくれます。
カウンセリングで、納得できるまで質問に答えてくれる歯科医師かを見極めましょう。
インプラントは外科手術をともなうため、歯科医師の経験や実績が治療結果を左右します。日本口腔インプラント学会の専門医の資格は、客観的な判断材料になります。
また、クリニックのWebサイトでご自身と似た複数本の治療症例が豊富に掲載されているかも、技術力を判断するうえで大切なポイントです。
インプラントを長持ちさせるには、治療後のケアが重要なため、保証制度やメンテナンス体制が整っているかも確認しましょう。万が一のトラブルに対応する保証期間や内容、そしてインプラント周囲炎を防ぐための定期検診プログラムがあるかが重要です。
治療後のサポートの手厚さが、安心して治療やケアを続けるための安心材料になります。
インプラント2本同時治療は、口腔内や全身の健康状態、顎の骨の状態など、条件が合えば可能です。
インプラント2本同時治療は、治療期間の短縮や身体的負担の軽減できる有効な選択肢です。手術が1回で済むため、仕事や生活への影響を最小限に抑えたいと考える方に向いています。
ただし、誰でも適応できる治療法ではなく、デメリットも存在するため、信頼できる歯科医師との相談が大切です。
当院では、日本口腔インプラント学会認定「口腔インプラント専門医」や国際口腔インプラント協会認定「指導医」など、数々の資格を持つ医師がインプラントを担当しています。充実した設備と保証制度も整えているため、インプラントを検討している方や治療法に迷われている方は、お気軽にご相談ください。
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ● | ● |
午後 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ● | ● |
午前:09:00~13:00
午後:14:30~18:00
●:9:30~12:30/13:40~17:00
休診日:水曜・祝日